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Doctor Mからのメッセージ#025 (2003.04)
        

胸が苦しかったので「救心」を服用したが、それでよろしいか?
   

    いろんな心臓の症状で「救心を服用したがそれでよかったか?」という質問をよく受けます。心臓の症状のような潜在的に命に関わる可能性のある症状に対して、医師の診断を受けないで服用できる薬とは何なんだろうとは変に思いませんか? 私は直ぐにそう思います。しかもこの薬は少なくとも半世紀以上市場に出回っていて、ニュースになるような薬品事故が起こっていないのではないかと思います。特に循環器の薬品は適用を誤る(病名と使用薬品が不一致である)と重大な薬理的な不都合が生じるものです。ということは大きい薬理作用はないということでしょう。救心の成分を知らなかっても、状況を考えればそう言う結論にあるように思います。

 

    このDMMを書くために救心を買ってみました。30粒で1890円でした。説明書と実物を見るためです。狭心症の母親が愛用していたので、実物は子供の頃に見て知っていましたが。そうしますと、効能には「動悸・息切れ・気付け」しか書いていません。狭心症の疑いの症状などは効能にはありませんでしたよ。しかもニトロペンという狭心症に対する頓服薬のように舌下錠(直ぐに血液に吸収される)ではなくて、水や湯で胃に飲み込むのですから暢気な飲み方ですね。食道で全部溶けてしまうのなら宜しいが。それはそうと、効能にある動悸を抑えることと気付け(身体がだるいとか、頭がボーットしたり、立ちくらみなどに対して)というどちらかと言うと逆の傾向の状態の両方に効果があるというのも物凄く際どい話です。やはり効果が大きくないから大丈夫なのでしょうか。成分を読みました。8種類の動植物の生薬成分が含まれています。大人の一回の使用量は2粒とありますが、物凄く小さい。直径約2.5mmの球です。2粒の中には8種類もの生薬が含まれていて、総計20mg弱しか含まれていないのですから、生薬の割にはその各成分は非常に僅かな量と思われます。ただし、現実的に効能に書かれているような症状には効果がある場合があるのでしょう。

    比較の参考に、市場に出回っている多くの漢方薬の一回分は2500mgです。エキスの精製度がかなり違うかも知れないので、あくまでも参考ですが。この漢方薬の服用量もかなり少な目に設定してあることは、その筋では知られています。何故かと言いますと、この漢方薬も現実には適用が曖昧なうえ、薬局でも買えますし、医師が処方する場合でも訳の判らない点がないとは言えませんし、不都合な薬理作用を恐れてかなり少な目に設定しているのです。それで、ただでさえ少量なのに食後に服用すると吸収率が悪いので、漢方の多くは食間とか食前とかになっているとのことです。薬理的にはいつ服用しても良いのですが、そういう事を医師や薬剤師の方も知らない人が多いのではないかと思います。胃に悪かったら食後でも構わないのです。

    それはそうと、よく「風邪を引いて薬局の薬を買って飲んだが効かないので受診した」という場合に、「薬局の薬は上等でない」と思い込んでいる方が多いようです。私は薬局の薬の名誉のために言いますが、対症薬としては病院の薬と同じような成分です。普通の対症療法として薬局の薬を利用されるのは便利で良いことだと思います。何が違うかと言いますと、使用量を多少少な目に設定しているのです。何度も言っていますように、薬局で買う薬は副作用などの不都合な作用をより厳しく避けようとしているからでしょう。何しろ医師の診察を受けずに入手するからそうなるのでしょう。


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