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Doctor Mからのメッセージ#042                     (2004.11)
                   痩せ薬についての続編

 以前の本シリーズ(#15)で痩せ薬は大体が効果の怪しいものが多いし、効果のあるものは薬理学的にリスクが高い可能性を考えておく方が良いと述べました。しかし、考えれば、小腸からの吸収を減らすだけの薬物やそれに類したものであれば、理論的には「当たり」の場合もあるかも知れないと思いました。

 その後、当院の処方で痩せ薬のための「漢方薬」を扱っているらしいので、ダンマリをしている訳にもいかなくなりました。実は当院の出入りの薬の卸会社の人が「自分の肥満を解消するために試したいから当院で扱ってくれ」という話を同僚の大塚医師に持ってきたようです。頼まれた大塚医師も肥満を気にしていたので、納入以来、両者とも服用しています。普通の医療機関用に認可されている漢方薬なので、様子をみているところです。ただし、数ヶ月から半年経っても余り体重に変化がなければ、止めた方が良いと思います。漢方薬であろうと西洋薬であろうと、数ヶ月も服用してあるべき効果が言うほどのことがなければ止めるべきです。ところが、この漢方薬のもともとの効能に「便秘」があり、整腸作用を期待して、ついでに肥満に一寸でも期待できれば、それで良いということでもあるかな、と敢えて理解しています。便秘と肥満の関連もないとは言えないかも知れませんし。しかし、私自身はこの薬の感触が判らないので、自分は処方しません。

 肥満を解消する方法に養分を吸収する小腸の一部を切り取ってしまうという外科療法があるらしいです。それは特別の理由がなければしないでしょうが。吸収する部分を減らせば目的を果たせるという考えです。単純で判りやすいですね。それならば、腸管の中からの吸収を邪魔しようという薬があれば体重を減らせることが考えられます。最近、似た考えの薬は糖尿病治療薬として処方されています。最近のテレビ販売の番組では、腸の中で栄養分を塊の中に取り込んで吸収させないようなゼリー状の飲み物を宣伝していました。食事の直前か直後かに飲むらしい。これも理に適っている感じがあります。多分、上手く用いれば体重が減るのではないかと思います。これは腸の中だけでの介入なので、重大な副作用はないかも知れません。腸内細菌の不都合や栄養失調にならなければ、自己責任で試すのもあり得るかも知れない。こういう風に書く小生がこういうものを積極的に勧めているのでは全くありません、念のために。肥満の主原因は必要以上にカロリーを口の中に放り込み過ぎなのですから。しかし、この欲望を抑えることは多くの人にとって難しいことも事実なので、難儀なのですね。

 
最近、娘が「プロテイン・ダイエット」というのを買って飲んでいた。一日三食のうち一食だけ食事をこれに置き換える。そうすると一ヶ月に2kgは体重が減るそうです(そりゃあ、僅かだね)。これには笑ってしまいました。何故かと言いますと、これを指示通り飲むと一回で78Kcalしかないので、他の二回の食事を指示通りの「いつもの通り」を守ると、一日摂取カロリーは確実に減るので(一食抜きと同じ)、ダイエット効果があるのに決まっているからです。娘は朝食時に飲んでいた。「夕食の時の方が効果がある」と言うのは当たり前の話で、これも笑ってしまった。カロリー以外の栄養素はバランスよく加えてあるので、これも肥満解消の契機になれば悪くない商品。いろんなアスレチック器具(製品自身は立派なものが少なくない)と同じで、結果的に継続し続けるのが困難というのが最大の駄目の理由で、娘も結局は駄目でした。
 

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