(002)当院も全館禁煙にしました(2004.10)

    平成3年に開院した時から、本当は全館禁煙をしたかった。しかし、それを断行する決断は出来ずに来ました。途中でも、何度かそうしようと思案しましたが、決断できませんでした。隠れて喫煙されて火事になることの危惧が最後まで払拭できませんでした。地震・雷・火事・子供(昔は親父でしたか、情けない)の中でも火事は恐ろしいものです。

    とは言いましても、館内で喫煙しても良いとしていたのは、2階の病棟のデイルームのコーナーだけでして、病棟もその他の場所は禁煙で、一階の外来もすべて禁煙でした。今後は、これまで目こぼししていた、応接室や職員の一部の休憩する場所も完全禁煙にいたす所存です。喫煙する職員もあまりいないと思います。建物の正門と西門との外側には灰皿を置いてあります。

    小生は呼吸器・循環器が主な領域ですから、禁煙にしていないことは真に恥ずかしいことでした。もちろん、消化器にも悪影響があり、自律神経の変調要因であり、医療上は、百害あって一利なしというべきですので。

    数年前には、デイルームの喫煙コーナーに本格的な分煙対策をしようと思案していたのですが、全面禁煙がし易くなった情勢になったと判断して、中途半端な分煙は取り止めにしました。それまで、多くの皆様にご迷惑をお掛けいたしまして、本当に申し訳なく思っています。

分煙対策につきましては、産業医科大学の大和浩助教授という先生がおられ、バリバリ頑張って実地研究され、何度かのTV出演も含めバリバリ講演しまくっている方です。小生は産業医の講習で二回も彼の「分煙対策」の講義を拝聴しましたが、なかなかの内容で感銘したものです。スキンヘッドの彼の講演の最後には、彼の尊敬しているレスリングのアントニオ猪木のスライド写真が突然出てきて、「1、2,3.ダーッ」という按配でしたかね。その彼も喫煙者でして、彼の研究室内に煙を貯めないように、種々の工夫をしていましたが(それもスライド写真で見せられるのです)、途中で、「何故、自分はこんなしんどい目をしてまでタバコを吸っているんだ」と阿呆らしくなって、タバコを止めたそうです。最近は大和先生の研究も「分煙」から「禁煙」に重点が移っているそうです。

小生も大学に入学してから格好を付けるためか、タバコを吸い始めました。タバコの味は知らなかったらそれで済むのだから、のっけから吸わないのが大正解なのですね。一旦、その独特の味を覚えると、止めるのは難しいですね。小生は、肺がんの悲惨な状態を見てきて、「やっぱり、肺がんになるのは恐ろしい」と感じて、数回以上禁煙しましたが、半年〜一年位成功していたのに、何気なく「一寸だけ」と吸い始めると、その都度五本は増えて、一日30本位になりました。開業医になる際の禁煙が、一応は、上手く続いています。